五右衛門風呂への道
私が物心付いた頃、この家の風呂は小判型の木で出来た風呂桶で、勿論水道などありませんから、50m位離れた井戸から桶に入れて水を運んで沸かす、結構貴重な風呂でした。(1948〜9年頃かな。) 電気もまともに通っていない頃ですから(十数人が暮らすこの家に、一灯だけ電球がともっていたそうです。)夜の風呂場の明かりはランプです。 このランプというのは菜種油を燃やしていますから当然にススが出ますし、定期的にそのススを拭き取らないといけないのです。 私の小さなこぶしはガラスのホヤの中にすっぽり入るし、大人では拭き取れないススを拭き取るには格好の道具だったようです。 殆ど暗闇という風呂場で、ぼうっと照らすランプの明かりとその光りを揺らめかせる湯気がかすかに記憶の底に立ち上がります。 それから5年くらいたったでしょうか。ランプではない、電灯に照らされた五右衛門風呂が、何とも心ときめかせる新しい時代を感じさせて、子供ながらはしゃいだ記憶が残っています。 * * * * * ということで、何とかそのときめいた記憶を再現したいと、今からすれが時代遅れの五右衛門風呂をこの愚為庵敷地内に再現したいと、無謀なる「よせばいいのに」を立ち上げました。 実用に耐える五右衛門風呂を建設出来るよう、又一つ「止せばいいのに」が実現思想です。 |
企画3年。ついに具現化できそうな展開が最近ありました。 近くの元農家から、長いこと取っておいた五右衛門釜を譲ってくれるという申し出をいただいたのです。 何度か同じような機会がありましたが、その中でも出色の保存状態と、何と言ってもそのサイズです。大きい釜なんです。(^_^) |
|
homeへ | 止せば良いのにへ |